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2021.10.30
なぜ水分摂取が大切なのか?~体内水の循環について~
竹内孝仁先生(国際医療福祉大学大学院教授、日本自立支援介護・パワーリハ学会理事長)による竹内理論でも特に認知症の予防において、1日1,500ml以上の水分摂取が提唱されています。
なぜこれほど「水分摂取が大切である!」といわれるのか。
私たちの体の約6割は水分であり、筋肉は約80%、皮膚は約70%、骨でさえ約30%が水分です。
この水分は、主に口から食物や飲料として体内に入り、胃腸で吸収され、血管に入って血液として全身を流れ、体の各部位に分配されます。
このように体内に分配された水分を“体内水”といいます。
体内水のうち、その3分の2は、細胞の中に存在する細胞内液です。
残りの3分の1は、血液の中、リンパ管の中、組織の隙間などに取り込まれ、体のさまざまな働きを助けます。
全ての体内水は、一見、血管やリンパ管、細胞膜などに遮られ、他の器官には移動しないように思えるのですが、特定の場所に留まっているわけではなく、各部位から常に移動して、絶えず体内を駆け巡りながら循環しています。
そのように全身を循環しながら、細胞や臓器に栄養を届け、老廃物を回収します。
その老廃物とともに静脈へ戻り、血流にのって腎臓へと届けられ、そのほとんどが尿として排出されるのです。
この体内水は、日々入れ替わっています。
1日に体を出入りする水の量は、約2,000~2,800ml。
これは2リットルのペットボトル約1本半にあたる量です。
私たちは、毎日これだけの水を摂取し、同じ量を排出しています。
水が体に入る経路は、飲料水から1日1,000~1,500ml、
また食べ物に含まれる水分が約800~900ml、代謝(体内で脂肪などが分解され、エネルギーに変わる)時に作られる水分が約300 mlです。
一方、体内水が体から出ていく経路は4つあります。
最も多いのが尿で、1日に体内水の約半分にあたる1,000~1,500mlが排出されます。
次に多く排出されるのは汗で、約600 ml。
また吐く息からも体内水は排出されており、1日の呼吸の回数は約2~3万回でその排出量はコップ2杯分の約400 ml。
そして、便にも体内水が含まれ、これが約100~200mlです。
このように、水が体内に入り、出ていくまでの循環が、私たちの健康を支えており、体内水がスムーズに循環し、水分の代謝がきちんと行われていれば、臓器の新陳代謝も正常になり、また不要な老廃物も排泄されるので、体は健康を保つことができます。
しかし、この体内水の循環がうまくいかなくなると、血液やリンパの流れが滞ったり、体温の調整や細胞に含まれる水分量などが乱れ、私たちの体はたちまち不調をきたしてしまいます。
体の不調の多くは、体内水の循環バランスが崩れることから起きます。
その原因は主に2つあります。
1つは、水分不足です。水分の補給が十分でないため、脱水症状を起こしてしまうのです。
脱水症状には、激しい運動で大量に汗をかいた後などに起こる急性脱水症と、生活習慣によって起こる慢性脱水症があります。
例えば、高齢者は加齢により筋肉が落ちるため、若い頃よりも筋肉に蓄えておける水分量が少なくなり、新陳代謝も腎臓の機能も低下するので、老廃物を排出するのにより多くの水分が必要になります。
また、喉の渇きも以前より感じなくなってくるため、意識的に水分を摂る必要があります。
体内水の循環バランスが崩れるもう1つの原因は、滞りです。
これは、水のめぐりが悪くなり、老廃物がスムーズに排出されていない状態をいいます。
体内水が滞っている場所ではむくみが起こり、不調が現れます。
例えば、筋肉がむくむと体がだるくなったり、手足がこわばったり、肩凝りや腰痛が発生することもあります。
水不足も滞りも、放っておくとドンドン悪化し、長期に渡る不調や、深刻な病気を引き起こす可能性があります。
ですので、そうなる前に、早めにその兆候に気付いて、体内水のバランスを整える必要があるのです。
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